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高齢者の見守りの必要性は、介護保険が始まったときから(2000年4月~)言われ続けています。それが、今になって多くの注目を集め、複数の民間企業が「高齢者の見守りサービス」を提供しはじめています。
なぜ今、高齢者の見守りが注目されているのか?
その理由や見守りサービスの詳細を紹介していきたいと思います。
なぜいま高齢者の見守りが注目されているのか?
高齢者だけで暮らす世帯が急増しているから
そもそも、日本では高齢者人口が増加し、一人暮らしの高齢者も年々増えています。
さらに「住み慣れた自宅で生活を続けたい」と思う高齢者も増えてきており、「高齢者の見守り」に注目が集まっているのです。
たとえば、
- 家で酒を飲みながら食事したい
- ペットと一緒に生活したい
このような、家で普段と変わらない何気ない生活をしたいというニーズの高まりが背景にあります。
高齢者だけでの生活は危険がいっぱい
自宅で生活したいと思うことは、年齢に関係なく誰しも思うことです。しかし、高齢者だけでの生活は、やはり「危険やリスクが多い」と言えます。
例えば自宅での危険な例を挙げてみましょう。
- 事故(転倒事故など)
- 事件に巻き込まれる(詐欺や強盗など)
- 病気の悪化
その中でも自宅事故が最も多く、消費者庁によると「交通事故の4倍」の発生件数だと発表しています。
消費者庁発表くわしくはこちらから
⇒毎日が#転倒予防の日~できることから転倒予防の取り組みを行いましょう~
高齢者の自宅での事故例
交通事故数の4倍も発生している自宅での事故。いったいどんなものがあるのか?具体的に見ていきたいと思います。
『転倒事故』
- コードやカーペットにつまずいて転ぶ
- 階段や敷居につまずいて転ぶ
- 急なふらつきで転ぶ
- トイレでのズボンの上げ下ろしでふらついて転ぶ
『転落事故』
- 不慣れな家族が立たせようとベッドから起こす時、一緒にベッドから落ちた(転んだ)
- ベッドから起きたら寝ぼけて落ちた。
- 高いところのものを取ろうと踏み台の上に立ったら落ちた。
- 階段から落ちた
『薬に関すること』
- 病気の悪化や改善で、薬が変わる。
- 飲み忘れる。飲みすぎる。
これらの事故はあくまで一例です。自宅での事故は、本当にささいで何てことないことが原因であることが多いです。
高齢者事故について、くわしくはこちらから
⇒高齢者の住宅内の事故 | 健康長寿ネット
より具体的な対策は以下の記事で解説しています。
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高齢者世帯で起こる危険の怖さ
「事故がきっかけで寝たきりになった」「事故がきっかけで自宅で生活ができなくなった」という話はよく聞きます。ですが、高齢者世帯で最も怖いのは『見つけてもらえないこと』です。
一度想像してみて欲しいのです。
- 事故で骨折して、倒れたまま何時間も見つけてもらえないことを
- 知らないうちに事件に巻き込まれていることを
- 少しずつ気づかないうちに、病気が悪くなっていくことを
ご自宅で生活する高齢者の多くは「事故は起こるもの。起こった時に見つけてもらえないのは怖い」と話します。
高齢者見守りの需要と必要性
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見守りの必要性(高齢者ひとり世帯が増加)
高齢者世帯の増加に伴う、高齢者の自宅事故の増加は先ほどもお伝えしました。その中でも、消費者庁の年齢別集計によると、75歳を境に自宅事故が増えています。
理由は、年齢を重ねたことによる「身体能力の低下」と「(奥様もしくは旦那様との)死別」と考えられています。
高齢が進むとともに身体能力が低下して事故を起こしやすく、一人暮らしで事故の発見がしにくい世帯が75歳から増えるということです。
単身の親を持つ人は増えており、見守り必要性は言うまでもありません。
高齢者見守りサービスの需要は増加傾向
高齢者のひとり世帯が増加した理由には、社会情勢や時代背景も要因の1つです。
高度経済成長により都市部に人口が集中し、田舎で親と一緒に生活することが当たり前ではなくなりました。
最近では世帯所得の減少などの理由から共働きが増え、親と顔を合わせる時間が少なくなっています。
物理的にも時間的にも、親と接する機会が少なくなっていると言えます。
とはいうものの、「親が子を思う気持ち」と「子が親を思う気持ち」は消えることはありません。離れているからこそ心配です。
- ケガをしていないか
- 調子を悪くしていないか
- ご飯をちゃんと食べているのか
このように、誰かが見てくれたら安心です。
一人で不安に暮らす高齢者と、高齢の親を思う家族は、これからも増加していきます。「高齢者の見守りサービス」の需要は高まっており、サービスが拡充されていくことは自然だと思います。
高齢者見守りサービスの種類
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高齢者の見守りとは
見守りとは「安全であるように注意してみること」とあります。
人が人をみる時間や余裕がなくなった時代背景にあわせ、地域や民間企業の力を借ります。
「見守る」形が変わっただけで「安全であるように注意してみる」という気持ちは今も昔も変わらないようです。
高齢者見守りサービスの現状
行政の介護保険サービス内でできる見守りサービスには限界があり、在宅支援センターのケアマネージャーも民間サービスを活用する状況になっています。
介護保険サービス内でできる見守りサービスは「ケアマネージャーによる月1~2回の訪問」と「ヘルパーの来訪」のみです。
自立度が高い高齢者は「ヘルパーの来訪」も活用できない場合もあります。有料サービスは、今や8種類とも9種類ともいわれ増加し続けているのが現状です。
高齢者見守りサービスの種類
今回は在宅支援センター(介護保険の定める在宅支援センターのこと)のケアマネージャーが活用している、もしくは活用しようとしている(主に民間の)見守りサービスを5つに絞ってご紹介します。
- 訪問型見守りサービス
- カメラ型見守りサービス
- センサー型見守りサービス
- アプリでの見守り
- 宅配型見守りサービス
- 緊急時通報型見守りサービス
- 家電一体型見守りサービス
訪問型見守りサービス
従来型の見守りサービスです。スタッフが高齢者の自宅を定期的に訪問し、安否確認を行います。健康状態や食事量、近況を高齢者にお伺いし離れて暮らす家族へ報告します。
代表的なサービス提供会社
- ヤマト運輸「クロネコ見守りサービス」
【検討時の注意】なじみのない他人の来訪や干渉にストレスを感じる高齢者にはおすすめが難しいです。
カメラ型見守りサービス
高齢者のご自宅へカメラを設置し、モニターにて24時間安否確認ができます。
オプションが複数あり、会話が可能なものや携帯電話への連動、カメラが動いて高齢者を追跡したり、種類は豊富です。
機器類も導入工事不要も多く、買い取りやリースなど、導入方法も様々で導入しやすくなっています。
代表的なサービス提供会社
- みまもりcube「みまもりcube」
- ALSOK「アルボeye」
【検討時の注意】カメラを24時間の監視として、ストレスを感じる高齢者には不向きです。
以下記事では、ネット環境やWiFi不要で使用できる見守りカメラを紹介しています。
参考記事:ネット環境無しで使える見守りカメラ
センサー型見守りサービス
「一定の場所を通る」「特定の家電を使用する」などの生活活動内にセンサーが設置されており、センサーの反応で生活活動の有無を確認します。
生活活動のセンサー反応の有無で、安否確認を行います。軽度の認知症高齢者にも活用されるのも利点です。
最もサービスの種類が広がっているのが、この「センサー型」です。
代表的なサービス提供会社
- LACHIC
【検討時の注意】センサーに連動したアクションがあると「なんでわかったのだろう?」と見えない監視に不安を感じてしまう高齢者がいます。
参考記事:高齢者向け見守りセンサーの種類とオススメ
アプリ型見守りサービス
スマホのアプリを使った見守りサービスです。導入が簡単で、機能も豊富なアプリが多数あります。
見守られる高齢者が、簡単なスマホ操作ができる必要があります。
参考記事:高齢者向け見守りアプリの種類と選び方
宅配型見守りサービス
牛乳やお弁当など、商品を配達する際に高齢者の安否を確認するものです。
- 対面で宅配を届けるサービス:高齢者に直接宅配を届け、安否確認を行う。
- 宅配を置くだけのサービス:前回の宅配が回収されている(=高齢者が生活活動をしている)ことで安否確認を行う。
代表的なサービス提供会社
- ヤクルトの配達見守り訪問
- ワタミの宅食による見守り
- 各新聞配達営業所
- 郵便局
【検討時の注意】多くの情報は得られません。配達のついでに安否確認を行うサービスがほとんどです。
緊急時通報型見守りサービス
病院のナースコールに近いサービスです。緊急時、高齢者本人がボタンやスイッチなどを押して知らせるサービスです。
「(寝室やトイレなどの壁)固定するタイプ」「携帯タイプ」「ペンダントタイプ」と種類も豊富です。
外出時の緊急に対応できるようGPS機能を搭載した機器も多く見られます。
代表的なサービス
- ALSOK「みまもりサポート(オプション:非常用ペンダント)」
- SECOM「親の見守りプラン」
【検討時の注意】突然の発作などの場合、高齢者本人が緊急通報できない場合がある。
家電一体型の見守りサービス
ポットや電球、コンセント、テレビのリモコン、冷暖房などにセンサーが内蔵され、高齢者がきちんと使用しているか?離れて見守ることができます。
種類は複数あるので、以下記事を参考になさってください。
さらに詳しく完全網羅した以下の記事もあるので、参考になさってください。
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今大丈夫だから今後も大丈夫。では遅い
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最近、友人の義理のお母さんが亡くなりました。
「待ち合わせに来ない」という連絡から始まり、義母の家に確認に行ったところ、転んで倒れていた。という内容でした。
結局、そのお母さまは救急車で病院へ運ばれ、階段から落ちたとき頭を打っており急性硬膜下血腫を発症していた為、残念ながらご逝去されたそうです。
76歳で毎朝ゲートボールへ出かけ、昼は喫茶店でランチをして帰ってくるほど元気だったそうですが、元気だったからこそ無茶もしたと話されていました。
- 事故は今日にでも起こるかもしれません
- 今、元気だからといって、絶対に起こらないわけではありません
- 事故が起こってから検討するのでは、遅いのです
「事故につながる一歩手前」のような出来事は、実は日常的に起きているのです。たまたま運よく事故に繋がっていないだけなのです。
事故につながるささいな出来事が起こっている今、準備をはじめましょう。親は「大丈夫」と言いますが、歳を重ねるごとに「大丈夫」ではないはずです。
子供に迷惑をかけまい!と頑張る親を守れるのは、他でもない私たち子供しかいません。
すべては、子供側から働きかけなければなりません。高齢の両親に安全に暮らしてもらえるよう、各種サービスを検討するのもアリだと思います。
なお、離れて暮らす高齢の親を安全に見守るためには、以下3つの条件が整っているサービスが有効でしょう。
- 緊急時の通報機能
- 緊急時の駆けつけ機能
- 日々の生活を異常なく過ごせているか確認できる機能
この条件がすべて満足できるのは、やはり警備会社が提供する「駆けつけ型の総合見守りサービス」だと言えます。
各社様々なプランやオプションがあるため、比較&おすすめサービスを記述しておきました。以下記事を参考になさってください。
>>★高齢者見守りサービスの比較
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